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最有力候補の不出馬意向で盛り上がりに欠ける台湾最大野党の主席選挙。それでも政権奪還の可能性は高まっている

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※本記事は2025年9月13日6:00まで無料会員は全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。
盧秀燕台中市長
次期総統選挙で国民党候補として最有力視されている盧秀燕・台中市長。写真は2020年の台湾プロ野球の始球式(写真:Gene Wang/Getty Images)

台湾の最大野党・国民党で新しいトップ選びに向けた動きが進んでいる。朱立倫・現主席の任期満了に伴う次期主席選挙を10月18日に実施する予定で、9月18~19日に行われる立候補者の受付を前に国民党内から立候補を表明する人が相次いでいる。

長期政権となっている民進党や政治主張の先鋭化が目立ち始めた頼清徳総統への支持率が低下する中、2028年の総統選挙は国民党にとって政権を奪還する絶好の機会。次期主席は政権奪還に向けて党を率いることになる。

ところが、受付を1週間後に控えた現在のところ、主席選挙は盛り上がりに欠けているうえ、混迷している。その大きな理由は2028年総統選の最有力候補と目されている盧秀燕(ろ しゅうえん)氏が不出馬の意向を示しているためだ。

盧氏は台湾中部の大都市、台中市で2018年から市長を務める。「ママさん市長」を売りに高い支持率を維持し、台湾全土でも一定の人気を保つ。彼女は現在台中市長現在2期目で、台湾では地方首長に2期という任期制限が設けられているため、台湾政治関係者の間では2026年の市長任期満了後に総統選に出馬するとみられてきた。

「盧氏を出せ」と不満噴出

国民党内でも人気がある盧氏が党主席となって同党を率いてくれるだろうとの見方が根強かった。国民党は最大野党で与党を追い込みつつあるとはいえ、すでに9年以上国政野党にある。立法院(国会)でも単独過半数を握れておらず、党勢回復は道半ばだ。

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