次の台湾総統選挙(2028年1月投票予定)までちょうど2年となった。今年は11月に統一地方選挙があり、台湾は選挙モードに入る。台湾政治は、政権を担う与党・民進党と、立法院(議会)で過半数を占める国民党と民衆党の野党とが激しく対立する構図が続く。
この状況に我慢できなくなった与党陣営は2025年に国民党の立法委員(国会議員)に対するリコール運動を仕掛けた。しかし、野党の返り討ちにあって大敗。頼政権には大きな打撃となった。
台湾の外部環境を見れば、中国の台湾に対する統一圧力は強まりこそすれ弱まることはなく、昨年末にも大規模な軍事演習によって台湾を威嚇した。アメリカ・トランプ政権の対台湾政策も不透明である。台湾の内政も国際環境も厳しさを増している。
中国にとっては、台湾を内側から切り崩すチャンスが広がっており、軍事侵攻のオプションはむしろ遠ざかっている。一部で言われている「2027年台湾有事説」は中台関係の実態から外れている。
不支持が支持を上回り続ける頼政権
今後の台湾情勢を見通すにあたり、まず頼清徳政権の支持率を振り返りながら25年の台湾内政を回顧したい。台湾のネットメディア「美麗島電子報」の世論調査(図1)によると、頼総統の支持率は、24年5月の政権スタートから1年近くは50%前後、不支持は40%前後で推移していた。総統選挙での頼清徳の得票率が40%であったことからすると、この支持率は悪くない。

ところが25年4月にトランプ関税が発表されたことから頼総統の支持率が急落する。トランプ政権は台湾に対し日本や韓国よりも高い32%の関税を発表した(その後暫定20%)。これはトランプ政権の問題であるが、民進党政権がアメリカとの良好な関係をアピールしてきたのに高い関税を課されたことへの不満や失望が、頼総統の支持率の低下につながった。
さらにリコール投票の大敗で支持率が大きく下落し、8月は31%まで低下した。支持率が比較的高かった25年3月の55.6%と比べると、わずか5カ月で24.6ポイントの下落である。この落ち込みは頼政権が受けた打撃の大きさを物語る。




















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