「神様」による早すぎる台湾総統選の大予測(後編) 2026年地方選でネット人気の小政党に活路は?

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国民党は比例区の立法委員の柯志恩氏(62歳・女性)にほぼ内定している。柯志恩氏は前回の市長選挙では大差で敗れた。だが、その時は民進党内が陳其邁氏の再選支持で一致し、陳氏の人気絶頂期という不運もあった。

柯志恩氏はその後も高雄市で活動を続け知名度は広がってきている。民進党が候補選考で再び泥仕合になれば、選挙の行方はわからなくなる。逆に民進党がすんなり公認候補を決めることができれば柯志恩氏には厳しい選挙となる。

台南市も高雄市も民衆党の組織は弱い。候補を擁立すること自体が難しいし、立てたとしても惨敗に終わる可能性が高い。台北市と桃園市の方が民衆党にとってはまだましであるが、国民党の現職と戦える候補を擁立するのは簡単ではない。

台中は選挙に強い候補が集う

台中市の盧秀燕市長の後継候補として、国民党内では地元立法委員の江啓臣氏(52歳・男性)と楊瓊瓔氏(59歳・女性)の2人の名前が挙がっている。江啓臣氏は当選4回、現立法院副院長(副議長)で国民党主席も歴任している。楊瓊瓔氏は旧台中県の時代から数えて当選7回、台中市副市長も経験している。

2人とも選挙に非常に強く、1月の選挙では両者ともに選挙区での得票が自党総統候補の侯友宜氏の得票を大きく上回った。国民党にとってはどちらが市長候補になっても計算できる候補といえるが、公認獲得競争は江啓臣氏が一歩リードしているのではないか。

民進党は地元立法委員の何欣純氏(50歳・女性)が候補になる可能性が高い。何欣純氏は台中県議員・市議員3期を経て立法委員に転身し、当選4回。こちらも選挙に非常に強く、1月の選挙では選挙区での得票が自党総統候補の頼清徳氏を大きく上回った。

他に地元立法委員の蔡其昌氏の名前も挙がっているが、前回市長選の負け方が悪いので無理だろう。1月の選挙でも民衆党の蔡壁如候補にかなり追い上げられ、かつての強さを失っている。民進党の台中市奪還の期待は何欣純氏の肩にかかる。

台中市は国民党の江氏または楊氏と民進党の何氏のガチンコ対決が予想される。民衆党がこの争いに割って入ることができるかというと地元を見る限り人材が見当たらない。

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