「神様」による早すぎる台湾総統選の大予測(後編) 2026年地方選でネット人気の小政党に活路は?

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民衆党は比例区の立法委員の黄国昌氏(50歳・男性)が出馬の意欲を示している。だが、二大政党と比べると相対的に基盤が弱い。黄氏は以前新北市第12選挙区で時代力量から出馬して立法委員に当選した実績はある。

しかしその時は民進党の支援を受けた。黄氏は知名度が高くて熱心な若者ファンもいるが、民衆党の組織が弱すぎる。国民党が候補を立てず支援に回れば話は別だが、その可能性はないだろう。台湾の選挙の専門家らは黄氏の選挙は厳しいと考えているのではないか。

台湾南部では与党内で熾烈な争い

台南市は頼総統の地元である。黄偉哲市長の後任候補をめぐり民進党内の争いが熾烈になりそうだ。出馬の意欲を示しているのは3人の地元立法委員。新潮流派で頼氏側近の林俊憲氏(59歳・男性)、台南市で頼清徳氏と対立してきた陳亭妃氏(49歳・女性、正国会派のメンバーだったが最近派閥を除名された)、そして党内小派閥「湧言会」の王定宇氏(55歳・男性)である。

頼氏としては林俊憲氏を候補にしたい。が、世論調査では陳亭妃氏の支持が高いと見られている。党の公認候補を決める前に激しい争いになりそうだ。

国民党は比例区の立法委員の謝龍介氏(62歳・男性)にほぼ内定している。確かに台南市は民進党の地盤だが、地方の長期政権への飽きや批判は確実にある。謝龍介氏は知名度が高く、2022年の市長選挙では予想を覆して善戦し、当選した黄偉哲氏に5ポイント差まで迫った。民進党が公認争いで内紛が深まれば、選挙の行方はもつれる可能性がある。頼総統にとっては落とせない場所なので注目が高まるだろう。

高雄市も陳其邁市長の後任候補をめぐり民進党内の争いが熾烈になりそうだ。出馬の意欲を表明したのは地元立法委員の林岱樺氏(51歳・女性・正国会派)と頼瑞隆氏(50歳・男性・新潮流派)であるが、同市選出の立法委員はいずれも機会をうかがっているようだ。調整が難航する可能性がある。

2018年の市長選挙では党内予備選挙を行って陳其邁氏が候補になったのだが、予備選挙の過程が泥仕合となって支持が離れ、国民党の韓国瑜氏に敗れた苦い経験がある。台湾メディアでは頼総統の側近で総統府秘書長の潘孟安氏(60歳・男性・前屏東県長)の名前も挙がる。高雄市ではこの4年間で陳其邁市長の影響力が増した。民進党内で陳氏の役割が重要になってくる。

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