体操・宮田「五輪辞退は厳しすぎる」に言いたい事 スケボ選手の飲酒が許されて宮田はNGだったワケ

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未成年にこのような役割を負わせることが妥当なことなのか? という疑問は残るが、身体能力のピークとなる年齢を考えると、やむを得ないことではある。若年のアスリートに対しては、大人が最大限に指導、サポートをする必要があるだろう。

宮田選手やスケートボード選手の件についても、「問題を起こさないための適正な指導が行われていたのか?」という点は気になるところだ。オリンピックという大規模な国際イベントで、かつ未成年者が起こした問題となると、表沙汰にできないことも多々あると思われる。

関係者の間では、今回の件はしっかり検証して、再発防止に取り組むべきなのは言うまでもない。一方で、未成年のアスリートが、一度の過ちで今後の選手生命に影響をおよぼさないよう、最大限の配慮を行うべきである。

宮田選手の今回の行為がおよぼした影響は多大ではあるが、厳しい処分はしても、今後についてはできる限り寛容になり、立ち直りのきっかえを与え、それに向けて競技団体や指導者がしっかり指導と支援を行うことが、公正な対処であると思う。

東京五輪で炎上した「小山田圭吾」問題

メディアの報道も同様だ。報道の対象が未成年で、未来のあるアスリートであることを忘れるべきではないし、報道がきっかけとなって巻き起こるSNSでの話題についても配慮してほしい。

さらに付記しておけば、これをきっかけに東京五輪の開閉会式の一連の“不祥事”を再検証してみてはどうかと思う。多くの担当者が、解任されたり、辞任に追い込まれたりしたが、振り返ってみて、はたして正当な判断だったのか。

例えば、開会式の楽曲担当だった小山田圭吾氏に関しては、過去のインタビューから、学生時代の行いがいじめだったのではと問題視された。しかし、一部に誤情報も混じっており、SNSではそれらに踊らされて炎上が起き、小山田氏は歪曲された情報で辞任に追い込まれたことが明らかにされている。

誤情報や過度な報道に流されることなく、冷静かつ公正に判断することが、競技場の外においても求められる態度だ。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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