体操・宮田「五輪辞退は厳しすぎる」に言いたい事 スケボ選手の飲酒が許されて宮田はNGだったワケ
一般的に、不祥事の“深刻さ”を測る基準として、下記が挙げられる。
通常でいえば、未成年の飲酒や喫煙では被害者は存在しない。本人の健康や発育に支障が出る可能性はあるが、あくまでも「個人の問題」と見なせなくもない。
もちろん、人前で吸うことには受動喫煙の問題があるし、飲酒をして迷惑行為を働くと被害者は出かねないが、あくまでもそれは可能性の話だ。
日本では、成人年齢が18歳に引き下げられたが、酒やたばこの年齢制限は20歳に維持されている。海外では、両者ともに18歳以上とされている国も多く、日本の規制は海外と比べても厳しめと言える。
ちなみに、宮田選手は19歳であり、本人の説明では飲酒も喫煙も今回1度だけの行為だという。
もちろん、法律は国ごとに異なっていても、国民は各国の法律に従わなければならない。違法行為であることには変わりはなく、放置するわけにはならないのも事実だ。
ただし、「一般人」が行ったのであれば、「若気の至り」として大目に見てもらえることも多いだろう。「出場辞退は厳しすぎるのでは?」という意見は、こうした考え方に基づいているのではないかと思う。
五輪という「聖地」で求められる行動
今回の場合は、宮田選手が「一般人」と言えないだけでなく、五輪という特別な場での代表でもある。
日本体操協会の行動規範では、日本代表として活動する場では「20歳以上でも原則的に喫煙は禁止する」と定められている。
日本体操協会だけでなく、五輪はIOC、JOCをはじめ、多くの団体が関わっている。政治家も関わっているし、グローバルの大手企業がパートナー(スポンサー)として名を連ね、契約金を支払っている。
筆者の前職場・広告代理店では、五輪を担当している同僚が何名かいたが、彼らは世界的なプロジェクトに関われることを光栄に思う反面、多方面への配慮と、多くの関係者との調整で大変な思いをしながら仕事をしていた。
代表選手は、文字通り国を代表して出場している。厳しい行動規範や倫理基準が設けられるのは、やむを得ないことでもある。
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