「大学の友だち」は一生の友だちになりうるか Z世代を通して見えてくる「友だち作り」の変化
大学の友だちは一生の友だちになりうるか
三宅:『Z世代化する社会』で描かれている若者たちは、舟津さんが大学の先生ということもあって、大学生が中心ですよね。私も大学で非常勤講師をやっているので、とても共感しながら拝読しました。
舟津:ありがとうございます。
三宅:個人的には、モバイルプランナー(携帯のプラン変更や乗り換えを営業する仕事)に学生時代を捧げた大学生のお話が特に面白かったです。というのは、ここ10年くらいの若者論では、『友だち地獄』という本に描かれているような、友だち関係に縛られる若者の話が主流でした。ただこの本では、友だち関係とビジネスの論理が絡み合ったZ世代的友だち関係が書かれていますよね。
それこそモバイルプランナーであったり、友だちからの「株価」を気にしたり、ソーシャルメディアで友だちを管理したり。友だち関係の基盤に、ビジネスの論理が根を張っている。ただ、もし今私が大学生だったら、ここから抜け出すのは難しいとも思うし、もし学生たちがこれに悩んでいたら、どう声をかければいいか、「う~ん」と考えながら読んでいました。