「子どもから信頼される親」がしている話の聞き方 能動的な聞き方ならば子どもは心を開きやすい

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親業の創案者であり、臨床心理学者でもあったゴードン博士は、この手法が少年たちのカウンセリングにおいても有効だったため、親業に取り入れることにしました。

「積極的」「能動的」と言うからには、相対するものとして「受動的な聞き方」があります。相手の話を聞いてはいるけれど、積極的、能動的に「聞いた」「理解した」ことを確認できにくい聞き方です。

その代表が「沈黙」です。ただ黙って相手の話を聞くのがもっとも受動的な聞き方と言えるでしょう。「相槌を打つ」のも受動的な聞き方のひとつです。「ふん、ふん」とか「ああ」などと言って反応はするけれど、やはり相手の話をいかに理解したかの確認はありません。

「能動的な聞き方」とは何か

同じ相槌でも「それで?」、あるいは「ああ、なるほど」になると、相手の話に興味をもっているという気持ちは伝わります。しかし、やはり受動的です。相手がほんとうに伝えたがっていることを自分が理解しているかどうかを確認していないからです。理解したかもしれないけれど、していないかもしれない。もしかしたら誤解しているのかもしれない。それを言葉で確認しないため、相手にも自分の真意が理解されたのかどうかわかりません。

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「能動的な聞き方」では、相手の言いたいことや背後にある感情を、その都度、丁寧に確認していきます。先の会話の例では、「後片づけがイヤだと思っているのね」という部分が確認にあたります。

「私はあなたの言いたいことをこういうふうに理解したんだけど、それでいいの?」と言って、相手が投げてきたボールを投げ返します。同じボールが返ってくれば、子どもは自分が発した言葉の意味やその裏にある自分の感情を整理し、自覚し、より深く考えることができるのです。

近藤 千恵 親業訓練協会顧問

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こんどうちえ / Chie Kondo

1968年、国際基督教大学卒業。同時通訳者として活動するかたわら、アメリカの臨床心理学者トマス・ ゴードン博士が開発した「親業(PET)」インストラクターの資格を取得。 1980年に親業訓練協会を設立 し、親業の普及につとめる。翻訳書に『親業ーー子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方』『ゴードン博士の人間関係をよくする本 自分を活かす相手を活かす』、監修書に『「親業」ケースブック』シリーズ(いずれも大和書房)などがある。

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親業訓練協会
おやぎょうくんれんきょうかい

親と子をはじめ、あらゆる人間関係における効果的な方法を学ぶ講座、講演会、研究会などの開催を行う。親子関係に焦点を当てた親業訓練講座のほかに、教師学講座、看護ふれあい学講座、自己実現のための人間関係講座、ユース・コミュニケーション講座がある。親業訓練インストラクター(指導員)の養成 ・認定も行う。

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