「子どもから信頼される親」がしている話の聞き方 能動的な聞き方ならば子どもは心を開きやすい

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はじめ、お母さんには、「また夕食についての好き嫌いを言っている」という先入観のようなものがあったのでしょう。浩二くんが「えー、オレ鍋、嫌い!」と言ったとき、「好き嫌いを言わないの」と言っています。

浩二くんは続けて、「だって、鍋にしたら、面倒くさい」と言いました。さらに「食べたあと、オレが全部後片づけしないといけない」とも言っています。このときお母さんは浩二くんの気持ちを受け止めて、「後片づけがイヤなのね」と確認しました。

その結果、「塾から帰って疲れているのに、後片づけ全部しないといけない」「(後片づけを)誰も手伝ってくれなかった」という浩二くんの心の中にある思いを聞くことができました。

お母さんには、浩二くんの思いを聞いたことで発見がありました。食べ物の好き嫌いを言っているのではなく、誰も手伝ってくれない中、ひとりでがんばって後片づけをしていたのだという事情がわかり、あたたかい気持ちになったのです。

「能動的な聞き方」で子どもの心を開く

親業では、「能動的な聞き方」という手法を使って子どもの話を聞いていきます。「いまは子どもの話を聞こう」と決め、意識的に子どもの言葉に耳を傾けるのです。すると、考えてもみなかったような展開に驚かされることがあります。

親が「あなたの話を聞こうとしているよ」「あなたの気持ちを理解しようとしているよ」という気持ちを言葉や態度で示すことによって、子どもが心を開き、自ら語り、自分で問題を解決するのを助けることができます。

「能動的な聞き方」は親業独特の言葉ですが、広く精神科や心療内科でカウンセリングに用いられているActive Listeningという方法が基本となっています。Active Listeningはビジネスの世界でも会議や商談、部下の指導などに応用され、一般には「積極的傾聴法」と訳されています。

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