「毎日元気そうな人」が日曜日に手帳を見ない訳 疲れをためないスケジュール管理「小さな工夫」

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アスリートたちは毎日、日誌を書いて自分のコンディションを「見える化」しています。なかでも朝、起きたときの感覚を大切にしていて、今日は体調がいいとか悪いとか判断し、それに合わせてその日のトレーニングメニューを組んだりします。

疲労感をレコーディングする

体調はその日その日で違うのが当たり前です。人間の体はスマホではないのですから、朝起きたら自動的に100%充電できているわけではありません。

アスリートたちは日誌を何年も書き続けると、「こんな体調のときは、だいたいこのくらいのパフォーマンスしか出ないな」「これ以上無理をするとケガをするな」とわかるようになるそうです。だから自分自身で調整するようになります。

自分でそれができない選手には、トレーナーが「今はこういう状態だから、あまり根を詰めないほうがいいね。練習はこのぐらいにしておこうか」と助言したりしています。

仕事の現場では、上司がトレーナー役を果たすべきです。運送会社の管理部門などでは「しっかり休めていますか」と聞いたり、運転の前に検査をしたりするところも少しずつ増えてきているようです。

しかし自分の体調は自分にしかわからない部分があるので、最終的には本人が責任をもって把握するのがいちばんです。

ビジネスパーソンの皆さんも、手帳の片隅に体調を表す記号や数字を書き込んでみる、スマホにメモをするなどしてみてください。ダイエットのためにその日食べたものを記録する「レコーディングダイエット」という方法がありますが、それと同じです。ぜひ、自分で自分の体の声をチェックして、記録してみてほしいと思います。

レコーディングを続け、自分の疲労に敏感になると、「会社を休むほどではないけれど、さっきからミスが多いな」とか「今日は体調がすぐれないから、早く帰ったほうがいいかな」などと気づけるようになります。

疲労がピークに達したと判断したら、会社に行かないという選択肢もあります。

その日に対面の会議の予定があったとしても、幸い、今はオンラインでミーティングもできますし、メールやチャットでのやりとりに変更してもらってもいいでしょう。

片野 秀樹 博士(医学)、日本リカバリー協会代表理事

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かたの ひでき / Hideki Katano

東海大学大学院医学研究科、東海大学健康科学部研究員、東海大学医学部研究員、日本体育大学体育学部研究員、特定国立研究開発法人理化学研究所客員研究員を経て、現在は一般財団法人博慈会老人病研究所客員研究員、一般社団法人日本未病総合研究所未病公認講師(休養学)も務める。日本リカバリー協会では、休養に関する社会の不理解解消やリテラシー向上を目指して啓発活動に取り組んでいる。編著書に『休養学基礎:疲労を防ぐ!健康指導に活かす』(共編著、メディカ出版)。

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