子どもの「やばい」「えぐい」の多用で失われるもの 「言い換える力」強化のため親にできることとは
つまずいて転びそうになって「やばい!」。夕飯に好物が出て「やばい!」。会話を「やばい」「マジ」「かわいい」「うざい」などですませることは、大人でも珍しくない。
しかし「未来を担う子どもたちに豊かな言葉の世界を教えてやれないのはとても残念なことだ」と明治大学教授の齋藤孝氏は話す。語彙力が人生にもたらしてくれるのはどのようなものなのか、『これからの時代に身につけたい国語力』の著者・齋藤氏に聞いた。
正反対のことでも全部「やばい」
「やばい」には、実にさまざまな意味が含まれます。危険な目にあうなどの困った場面でも、すごくうれしい場面でも使われます。
いい意味や悪い意味、気分の上がり下がり、いわば正反対のことを「やばい」の一言ですませているわけです。
こういう言葉はほかにもたくさんあって、「マジ」もそうですね。
「真面目にそう言っている(考えている)の!?」というところから生まれたのだと思いますが、「驚いた」「正しい」「必死に取り組む」など、いろいろな意味で使われます。
あるいは「サイズが小さいもの」「気持ちをなごませるもの」「守ってあげたいかれんさ」「見た目が変わっているもの」は、なんでも「かわいい」とひとくくりにされたりします。
こういう言葉を、友人同士などで使うのは楽しいことでもあって、否定するつもりはありません。
ただ、今ぐんぐん知識を吸収している子どもたち、心がどんどん成長している子どもたちには、もう少し言葉の引き出しを持ってほしい。語彙力を持つことは、人生のさまざまな場面で有利に働くはずだからです。
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