子どもの「やばい」「えぐい」の多用で失われるもの 「言い換える力」強化のため親にできることとは

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一方で本が好きな子どもには、少し背伸びをさせてみる、やや難しいものにチャレンジさせてみるのもいいですね。自分が読みたい本だけではなく、先生や大人が「これはおもしろいよ」と紹介してくれるものを読んでみるのも、子どもの世界を広げます。

私は今でも、学生に勧められた本はできるだけ読むようにしています。自分の興味の範囲では出会えなかった作品にふれられるのは、楽しいものです。

親はまったく本を読まないのに、子どもに本を読めというのもおかしな話なので、ぜひご家族で図書館や書店に行くことをお勧めします。

私が子どものころ、わが家は日曜日に家族それぞれ好きな本を1冊買うことになっていました。家族で本を買いに行くのは楽しかったし、今でも懐かしい思い出です。

文豪の語彙力が自然に身につく音読の効用

子どもの語彙力を高めるためには、音読も効果的です。夏目漱石や芥川龍之介など、品格のある文章をぜひ音読してみてください。

これからの時代に身につけたい国語力
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たとえば、小学生に夏目漱石の『坊っちゃん』を繰り返し音読してもらうと、漱石の語彙が子どもたちの中にグングン入っていくのがわかります。

「はなはだおもしろい」「すこぶるよかった」なんていう言葉が、音読するだけで身についていく。漱石の語彙力は普通の人の10倍20倍、もしかしたら100倍ぐらいあるわけです。

普段の会話では身につかないその語彙力を音読で取り入れる。そうすると実際に使ってみたくなる。

感情面でも論理の面でも、大人顔負けの表現ができるようになってくるかもしれませんね。

齋藤 孝 明治大学教授

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さいとう たかし / Takashi Saito

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー著者、文化人として多くのメディアに登場。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)、『読書力』(岩波書店)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『質問力』(筑摩書房)、『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)、『読書する人だけがたどり着ける場所』(SBクリエイティブ)ほか多数。著書発行部数は1000万部を超える。

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