本当に恐い人工知能はもう普通に働いている おバカな人工知能こそ脅威

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人工知能のリスクを軽減する研究を行う生活未来研究所の所長を務めている、マサチューセッツ工科大学(MIT)のマックス・テグマーク教授(写真:Julia Robinson/The New York Times)

昨年10月。電気自動車メーカーのテスラおよび宇宙企業スペースXの最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスクは、人工知能(AI)を「人類の存在に対する最大の脅威」と呼び、思考する機械を作ることは「悪魔を召喚すること」に等しいと述べた。

12月には宇宙物理学者のスティーブン・ホーキングが「完全な人工知能は人類を終末に導く可能性がある」と発言。また今年に入りマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは、人間を超える人工知能「スーパーインテリジェンス」への懸念を表明した。ゲイツはスーパーインテリジェンスの登場まで数十年しかかからないと考えているようだ。

トラブルの元になるのは人工“知能”ではない

だが万が一、人類が殺人ロボットによって絶滅させられる瀬戸際にいるとしたら、トラブルの元になるのはたぶん、人工知能ではない。それよりも問題となりそうなのは「人工無能」とでも呼ぶべきものだ。両者のずれを通して見えてくるのは私たちの「コンピュータ観」だ。

コンピュータが人間をよからぬ存在と判断し、排除しようとする——これぞ、多くの人の懸念の元になっているらしいタイプの人工知能だ。人類にとっては確かにいただけない話だが、もしかするとコンピュータによる賢い対応なのかも知れない。

だが専門家に言わせれば、本当に問題となるのは前後の脈絡も考えずにひとつの作業を猛烈な勢いで延々とやり続けるようなコンピュータプログラムのほうだ。

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