「雨水で作ったビール」飲んだ人が口々に言った事 都会の雨水はビールづくりに向いているのか

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都会の雨を仕込み水にした「雨水ビール」(筆者撮影)

えっ!意外にも爽やかで少しあまめの口当たり。それをホップやモルトの豊かな香りとうまみが追いかけてくる。これはうまいビールだ!

これは筆者が初めて「雨水ビール」を飲んだ率直な感想である。雨水ビールとは、雨を仕込み水として使ったクラフトビールのこと。「雨水でビールがつくれるの?」「大丈夫? 飲めるの?」などとツッコミが入りそうだが、雨水でここまでのビールがつくれるとは……。

そもそも雨は「天然の蒸留水」

雨水ビールが振る舞われたのは、梅雨入り直後の6月23日、東京都内(ビール工房新宿)で「雨水ビール乾杯イベント」。この日集まったのは、プロジェクト関係者や支援者など約40人。他の参加者にも感想を聞いてみる。「フルーティでスイスイ飲めてしまう」「柑橘系のさわやかさを感じる」などと参加者からは好意的なコメントが相次いだ。

イベントの様子(筆者撮影)

今回のイベントを主催した「雨水ドリンクプロジェクト」を立ち上げたのは、水に関わる事業者、研究者、市民のグループ。中心メンバーの尾崎昴嗣さんが「雨水でビールをつくれないか」と思い立ったのはいまから10年も前のことだという。

そもそも雨は、「天然の蒸留水」といえるものだ。地球の表面からは絶えず水が蒸発し、水蒸気となって上昇していく。海、陸地の川や湖、植物の葉の表面からも、水はどんどん蒸発する。

水蒸気を含んだ暖かい水は、空高くのぼっていくうちに冷えて雲になる。雲の水滴は衝突して大きな粒になり、自らの重みで再び大地に降りてくる。これが雨だ。

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