「サントリー生ビール」発売1年待たず刷新の本気 変化はわずかだが、一貫した戦略が見える
発売1年を待たずに商品を刷新――。
サントリーは2月製造分から、スタンダード(標準的な価格帯の)ビールの「サントリー生ビール」をリニューアルする。
同商品の販売開始は2023年4月。ビールで国内4位に甘んじてきたサントリーがシェア拡大を図り、満を持して投入した戦略商品だ。10月に実施されたビール減税という追い風もあり、2023年の販売数量は399万ケースと、目標の3割を超える上々のスタートを切った。
にもかかわらず、なぜこのタイミングでリニューアルに踏み切るのか。
リニューアルは「強みをより伸ばす」ため
近年の酒類業界では、発売後、短いスパンで商品をリニューアルすることは珍しくない。
例えばサントリーが2021年4月に発売した糖質ゼロのスタンダードビール「パーフェクトサントリービール」。同商品は発売翌年の1月と8月、わずか1年半で2度もリニューアルされている。2度目のリニューアルではパッケージをがらりと変え、イメージを一新した。
サントリービールカンパニーマーケティング本部の竹内彩恵子氏は、「糖質ゼロという機能か、ビールとしてのおいしさか、どちらを前面に出すのかを模索していた」と振り返る。パーフェクトサントリービールはマーケティング上に課題があり、それに合わせたリニューアルだった。
一方でサントリー生ビールの場合は、事情が異なる。販売は順調で、「新商品にしては消費者の認知度が高く、パッケージなどを大きく変える必要はなかった」(竹内氏)。それでもリニューアルに踏み切ったのは、「強みをより伸ばす」(同)ためだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら