ハワイ追い抜く「沖縄」観光地モラル低下のヤバさ サンゴの踏みつけなど生態系への影響も問題に

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真栄田岬
真栄田岬には、海から船でアプローチするコースと、岬の公営駐車場から階段を下りて海に入るコースがある。駐車場は180台収容できるが、繁忙期にはすぐに満車となる(写真:インディ/PIXTA)
再び表面化しているオーバーツーリズム問題。市民が市バスに乗れない京都、登山道に行列ができる富士山、違法駐車とサンゴ劣化に悩まされる沖縄など、自然環境や地域住民の生活が脅かされる事態が多発しています。
今後も旅を楽しむためにはどうすればよいのか。ユネスコ本部で在外研究の経験を持つ研究者、田中俊徳氏が解説します(『オーバーツーリズム解決論 - 日本の現状と改善戦略 - 』より一部抜粋してお届けします)。

沖縄とハワイの戦略の違い

オーバーツーリズムの文脈で語られることこそ少ないが、深刻なのが沖縄である。

沖縄の産業は、かつて3K(基地、観光、公共事業)と呼ばれたが、コロナ前の2019年には、沖縄県の県内総生産に占める観光消費額の割合は20.9%に及び、日本において突出した数字となっている(2位の山梨県が10.1%なので、沖縄がいかに観光産業に依存した県になっているかわかるだろう。言うまでもなく山梨県は富士山観光の拠点である)。

これは、基地関連収入(同5.5%)の約4倍であり、沖縄が基地への依存から脱却して、観光産業で自立するために推進されてきた政策の帰結でもある。

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