ネズミ増加に悩む繁華街で「協働」生んだ舞台裏 東京都千代田区 行政と住民・企業が連携

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ネズミ被害を減らすには、ネズミの生息しにくい環境づくりが有効とされる。そこで平野氏は鍛冶町二丁目の町内の一斉清掃を行った。

第1回は2023年7月に開催。飲食店、清掃事務所、保健所、出張所、建設会社等が参加する取り組みとなった。また千代田区を挙げてネズミ対策を推進しているため、樋口高顕区長も参加して一緒にごみ拾いを行った。

第1回一斉清掃
樋口区長も参加して行われた第1回一斉清掃(写真:TCR提供)

街が綺麗になるのが目に見えてわかり、参加者は45分もごみ拾いに没頭した。結果、軽ダンプ5台分のごみが集まり、ネズミ駆除に向けた環境整備が進められていった。

一斉清掃はその後も約2カ月に1度のペースで行われており、2024年5月で5回目となった。筆者も2月の一斉清掃に参加し、取り組みの盛り上がりを実感した。

ストッカー付近のごみを除去する平野氏
ストッカー付近のごみを除去する平野氏(写真:筆者撮影)
ビルの間のごみを除去
ビルの間のごみを除去。中央は樋口区長(写真:筆者撮影)

このときも樋口区長をはじめ町会、防犯パトロール隊、清掃事務所、保健所、出張所、飲食店に加え、郵便局、不動産会社、JR神田駅スタッフ等も含め約100人が参加して、町内のごみを一掃した。

ごみ排出の「統一ルール」策定

ネズミ繁殖の阻止には、ネズミのエサとなる生ごみ対策が有効となる。そこで、町会と町内の4つの商店会は、保健所と収集事業者の協力のもと事業系ごみの排出と収集のルールを策定し、排出者と収集事業者の双方がルールに従ってネズミ対策を行っていく形を作った。

その結果「ごみ袋の路上出しは原則禁止とし、蓋つきの容器に入れて排出する」や「飲食店は終業後から午前2時の間に排出し、収集事業者は午前5時までに収集する」といったルールを策定。飲食店と廃棄物収集業者に周知のうえ2023年11月より適用した。

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