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ネズミ増加に悩む繁華街で「協働」生んだ舞台裏 東京都千代田区 行政と住民・企業が連携

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  • 藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部教授
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神田は日本橋とともに町火消の発祥の地であり、江戸の伝統を受け継ぐ街である。神田駅周辺の4つの商店街を擁する鍛冶町二丁目町会は神田地区の再開発のコンセプトとして、「江戸の伝統が残る安心・安全な街」に加え「清潔で綺麗な街」を掲げ、まちづくりを推進している。

その状況のなか、町会長の平野氏のもとに2022年頃から「ネズミが出て仕方ない。何とかしてほしい」という要望が届くようになった。

平野氏も道端で車に轢かれたネズミを頻繁に見るようになり、「放っておけば非衛生的な街になる。『清潔で綺麗な街』に向けて真剣に対策を施していこう」と決意した。

そこで、出張所に相談したところ保健所の担当者につながり、鍛冶町二丁目が主体となって千代田区とともに試行錯誤を重ねながらネズミ対策を講じていく取り組みが始まった。

ネズミ対策会議の始まり

相談を受けた保健所担当者は組織の連携による対応を試み、出張所と清掃事務所に話を持ちかけた。また東京クリーンリサイクル協会(TCR)や、保健所がネズミ対策事業の一部を委託した業者シー・アイ・シー社も連携に加わった。TCRには、新宿二丁目の美化に貢献した事業系ごみ収集事業の白井エコセンターも参加している。

このようにして保健所、清掃事務所、廃棄物収集事業者、ネズミ防除業者とのスクラムにより、鍛冶町二丁目のネズミ対策への支援体制が構築されていった。

一方、平野氏はこの支援体制のもと、地元の4つの商店会を招集して2023年5月に「ネズミ対策会議」を開催した。

ネズミ対策会議で趣旨を説明する平野氏(写真:TCR提供)

複数回開催し、シー・アイ・シー社によるネズミ駆除に向けた専門的知識の提供や、ネズミ対策への方策を確認した。

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