人工改変された自然を愛でる日本人
──人間とコンピュータの境目が曖昧になると同時に、自然とコンピュータとの関係性も変わっていくのでしょうか。
落合:自然については、民藝運動の主唱者である柳宗悦(やなぎむねよし)※1が昔こんなことを語っているんですよ。
*原文を現代仮名遣いに改めた。
この「美しい写真は、与えられた自然よりずっと美しい」という言葉が僕は好きなんです。写真が「美しい自然」を生むための道具だとすれば、チャットGPTもそれに近いかもしれない。新しい道具を通して「美しい自然」が見えたりするので。
※1 柳宗悦(1889 ─ 1961) 美術評論家、宗教哲学者。大正末期より民藝美論を立て、調査や収集のために日本全国と海外各地を旅した。雑誌『工藝』『民藝』を創刊し、東京駒場に日本民藝館を創設するなど、民藝運動の普及に努めた。それまで注目されることのなかった民衆の工芸の美を解明した功績は大きい。著作に『雑器の美』『日本の民藝』など。

















