さて、会社組織は、もちろんセンティナリアンで構成はされていません。少し言葉を強く使えば、その対極にある「モノローグ主義者」であふれています。
モノローグ主義者というのは、要するに、延々と自分の話をしていて、人の話を聞かない人です。
相手はその話に飽きていたり、聞くことがつらくなっていたりしているのですが、話している人は、目の前の人のノンバーバル(表情などの非言語情報)を読み取らないので気づきません。
それはそうですね。自分の話の中に入り込んでいるわけですから。なぜそうなるかというと、話すことを通して、自分はこんなことを知っている、こんなことをわかっている、こんなことができるということを相手に認識させたい欲求が前面に出ているからです。
つまり、存在承認を求めているがゆえに、話し続ける。
上司が部下に対して話し続けてしまう
そして、一般的には、上司と言われる方々はこの傾向が強くなります。ただ、誰にでもではなく、「部下」という存在に対しては話し続けるのです。それは上司が無意識のうちに、部下という存在を使って自分が承認される権利を手にした、と勘違いするケースが多いからではないでしょうか。
日本の組織の場合、年齢が高い人が基本的に話す権利を持つことが多いようです。それまで上司から話し続けられてきた分、自分が上司になれば「今度は自分の番」となる。これが、あまりにも日本の組織、関係性の中では繰り返されているように思います。
だから、後輩は自分の話を聞いてもらう機会を奪われ、どこかつねに“殴られて”いるような気持ちになるわけです。
「あなたはモノローグ主義者ではないですか」と上司に言っても、「そんなことはない」と否定する方が多いでしょう。なぜなら、彼らは自分よりも役職の高い人の話は聞いているわけですから。
しかし、自分自身もどこか耐え忍びながら上司の話を聞いている分、その反動は、見事に自分の部下に対して向けられる傾向にあります。
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