「話を聞いてもらえない」職場が陥る負の連鎖 部下の話を聞かず自分ばかり話していないか?

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つまり部下の立場にあるときは、上司に話を聞いてもらえない。上司の立場になったら、部下の話を聞かず自分の話ばかりをしてしまう。けれどこのときの部下は、耐え忍んで話を聞いている。そのため自分の話は「聞いてもらえない」空気感はなんとなく伝わっている……。

そう考えていくと、極端に言ってしまうと、「誰も聞かれていない」ということになるわけです。どこかみんな存在承認不足。

リサーチが示す日本の「エンゲージメントの低さ」、つまり従業員のやる気やモチベーションが低い状態(ギャロップの調査によると、日本は125カ国中、最低の5%)は、こういうところに大きな原因があるのではないかと思います。

この悪循環を断ち切るには、まず、あなたが部下や後輩の話を、本当に聞いてみることから始めてみるのはどうでしょうか

30分間、相手の話をひたすら聞く

ぜひチャレンジしてほしいのは、30分相手に話をしてもらうことです。1対1の面談で、相手にとにかく話してもらう。

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30分というのは、簡単ではありません。こちらから問いかける場面もあるでしょうし、途中で相手の発信に対する承認も入れる必要があるでしょう。

そのような工夫をしつつも、30分間、自分は極力話さない、というのをやってみてください。

もしそれができれば、部下は承認されたと感じ、気持ちが満ち足りていくでしょう。組織の全員に「自分の話は聞いてもらえている」という気持ちが増せば、エネルギーは高まり、やる気が上がり、生産性やクリエイティビティの向上につながると思います。

鈴木 義幸 コーチ・エィ代表取締役 社長執行役員

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すずき よしゆき / Yoshiyuki Suzuki

慶應義塾大学文学部人間関係学科社会学専攻卒業。株式会社マッキャンエリクソン博報堂(現株式会社マッキャンエリクソン)に勤務後、渡米。ミドルテネシー州立大学大学院臨床心理学専攻修士課程を修了。帰国後、有限会社コーチ・トゥエンティワン(のち株式会社化)の設立に携わる。2001年、法人事業部の分社化による株式会社コーチ・エィ設立と同時に、取締役副社長に就任。2007年1月、取締役社長就任。2018年1月より現職。

 

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