「"宇宙食"としても注目」おにぎりは凄い食べ物だ 炊飯器と旅する「にぎりびと」神谷さん(中編)

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その会社の方がおっしゃるには、『手で持ったときの熱感も将来的にはおいしさの指標になるんじゃないか』ということでした。そういうことにも後押しされて、にぎりたてを手渡しすることにこだわっています」

おにぎりが「寿司」を超えたご馳走になる日

さらに神谷さんのこだわりは、手袋やラップを使わず、「素手」でにぎることにもある。

にぎりびと
必ず「素手」でにぎるのも神谷さんのこだわり(写真:尾形文繁)

昔の姿、原始的なおにぎりのあり方を求めているんです。昔は手袋もラップもなかったですよね。

これもフードテックの会社の方に教えてもらったことですが、人間は皮膚から微量の生体ガス、皮膚ガスを放出しているそうなんです。『汗のにおい』『加齢臭』もそうですし、俗にいう『モテ臭』なんていうのも皮膚ガスの一種だそうです。

そうであればおにぎりの味にも皮膚ガスが作用すると思うんですね」

あるとき、「おにぎり 神谷」に日本人と韓国人の2人の男性が来訪した。

「2人とも『おいしい! おいしい!』を連発して召し上がってくださったのですが、日本人の男性が『なんでこんなにおいしいんだろう。ほかと何が違うんだろう?』とつぶやいたんです。そしたら韓国の男性が『それは手の味だから』とこともなげに答えたんですね。それがすごく印象的でした。

にぎりびと 
おにぎりを「仕事として」にぎるために生活全般を律して万全の態勢でのぞむ(写真:尾形文繁)
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