韓国では『ソンマッ』、直訳すると『手の味』という言葉があって、手を使ってキムチをかき混ぜたり、粉をこねたりすることで、それぞれの家庭の味が醸し出されるというのだそうです。日本で言うおふくろの味ですね。
それを聞いて、やっぱり素手でにぎることもおいしさのうちだと確信するようになりました」
仕事でにぎる前日はラーメン、焼き肉は食べない
「皮膚ガス・手の味」がおにぎりの決め手となるのならばと、神谷さんは仕事としてにぎる前日は非常にストイックになるという。
「ジャンクフードやラーメン、焼き肉も食べませんね。『自分がこれを食べたら明日は自信を持ってにぎれないな』というものは食べません。カレーなどスパイスの効いたものも避けます。付き合いで誘われてもお断りします。
それから睡眠もしっかりとります。前の日に不摂生をして寝不足でにぎったら、それはきっとどこかに出ると思うんです。特にプロの料理人、シェフなど、食のプロであればあるほど、見透かされてしまう気がするんですね。
だから食事はごはんと味噌汁と焼き魚にヒジキみたいな粗食になってしまいます。クリーンな状態でにぎりたいんですね」
にぎるときは着物に割烹着と決めているのも神谷さんのこだわりの一つ。
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