ヤフー小澤元社長がVCで挑む「爆発的成長」の全貌 ファンドを通じて「日本のM&Aを10倍にしたい」

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堀新一郎(ほりしん・いちろう)/1977年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業後、フューチャーシステムコンサルティング(現フューチャーアーキテクト)のシステムエンジニアを経て、父親が創業したドリームインキュベータ(DI)にて経営コンサルティング及び投資活動に従事。ベトナム事業の立ち上げに携わる。2013年にヤフーに入社しM&A業務に従事。Z Venture Capitalの社長を務めた(撮影:今井康一)

ーー200件、どのような人がいましたか。

いろいろな方が来ます。インドネシア在住の方、今スペインにMBA留学してる方とはオンラインミーティングをしました。これから起業をしたいという高校生は製造業の買収をたくさんしていきたいんです、と相談しに来ました。凄すぎるな、と思いました。そういう起業家予備軍みたいな方もいらっしゃる。中にはM&Aをしたいという上場企業の社長などもいるので、いろいろな方と会っています。

堀はずっと現役でベンチャーキャピタルをやってきましたけど、私は10年離れていたので、最新事情がどうなってるのか、もう1回勉強し直すために全部会いました。でも200件会って1周した感じがするので、ここからはお断りする方も出てくると思います。

振り返ると、今回200件会ってよかった。質がよくなっていて、びっくりしました。以前(YJキャピタルやZ Venture Capitalの時代)であれば、エントリーシートの段階で断ったような人に、結果として投資することにもなったので。

社長の雰囲気は、字面ではわからない。以前は、まずは部下たちが書類で落としたり、初期面談をやって落としていたので、私が実際に会うのは週に3件とかくらいだった。今は1日6件とか会っている。文面からはさすがに投資可能性がなさそうだなと感じる方からの問い合わせも来ますけど、可能性が低そうだなと思っていたのに会ったら素晴らしい起業家、というケースがある。今回、そういうのが2、3件ありました。だから以前は会わずに断って損していたかも、という気持ちになりました。

年末には麻布台ヒルズへ移転

ーー1LDKのままで続けますか。

さすがに狭いので、麻布台ヒルズの「TOKYO VENTURE CAPITAL HUB」に入居する予定です。森ビルさんに誘っていただきました。工事に時間がかかるようですが年末までには引っ越す段取りになりそうです。でも、ここはここで居心地がよくて、ここでもいいかなとも思っていて。

ーー勝率のイメージは?

全勝を目指していますよ。僕らは確率をすごく高めたいと思っているファンドです。リターンという点では100社やって1社が2社でかなりのリターンを稼ぐことになるかもしれないけど、その場合でも98社負けていいとは思っていない。

過去の実績を振り返ると、YJキャピタルは19社に投資して11社上場してるので、上場確率が50%を超えているんですね。本当のレイターだけやってるベンチャーキャピタルだったらこういう勝率もあるかもしれないですが、YJキャピタルは創業投資を3社やっていて、そのうちの2社上場してる。勝率が恐ろしく高かった。M&Aという出口も考えると、今度はもっと勝率が高くなります。

日本のM&Aを10倍にしたい。そしてスタートアップエコシステムを活性化し、事業会社の非連続な成長を応援したい。いいことしかないんじゃないかな、と思っています。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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