ヤフー小澤元社長がVCで挑む「爆発的成長」の全貌 ファンドを通じて「日本のM&Aを10倍にしたい」

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小澤隆生(おざわ・たかお)/1972年生まれ。1995年早稲田大学法学部卒。CSK(現SCSK)を経て1999年にビズシークを創業し2001年に楽天に売却。その後楽天で各種事業の責任者に。2011年創業のクロコスをヤフーに売却しヤフーに入社。ヤフーではショッピング事業等を主に担当。YJキャピタル(現Z Venture Capital)にてVC事業も。2022年4月から2023年9月まで社長。2024年1月、ブーストキャピタルを設立し代表取締役に就任(撮影:今井康一)

会社を売った側の社長がもう1回起業することも、とても重要だと思っています。経験値の高いシリアルアントレプレナー(連続起業家)は成功確率が高い。だからお金も集まる。上場して社長をやりっぱなしだとシリアルになりようがない。

シリアルアントレプレナーを増やすためには、つくって売って、つくって売ってというのも職業として全然あり、としないと。実際シリコンバレーにはたくさんいるわけです。

会社を売って得たお金を投資に回していくエンジェルも増えればいい。M&Aが増えることで、間違いなくエコシステムの循環がよくなるはずです。僕らの考えとしては、M&Aを少しでも増やす役割を持ちたい。それこそが日本のスタートアップエコシステムの活性化にとって大切なことだと信じているからです。

ーーブーストキャピタルから出資を受けたスタートアップの経営者は覚悟が必要ですね。売却を迫られて、退く必要があるかもしれない。

僕らがマイノリティで出資している場合はまるで決定権がないので、強制力はありませんよ。株主として「規模をしっかり大きくしましょう、規模が大きくならないんだったら売却、もしくは他社の買収を積極的に考えましょう」と言い続けると思いますけれども。

40〜50社に出資

ーーM&Aを主体とするのであれば、非上場企業じゃなくて上場企業に出資してもよさそうですが。

上場企業には出資しません。非上場企業だけです。ただし出資先の非上場企業が上場会社を買う可能性はあります。

ーー100億円規模で何社ぐらいに出資するイメージですか。

2025年3月までに150億〜200億円ぐらいになる予定です。150億円だとすると管理報酬を差っ引いた投資余力が120億〜130億円。1社3億円平均で計算すると出資先は40〜50社だと思います。ミドルクラスくらいのVCになりますよ。

ーー期間はどのように設定していますか。

3年ぐらいで投資組み入れが終わると思います。ただ、ベンチャーキャピタル自体は10年のファンドなので、3年ぐらいで組み入れをほとんど終えて、その後のフォローのために一部のお金を取っておくと思います。

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