ヤフー小澤元社長がVCで挑む「爆発的成長」の全貌 ファンドを通じて「日本のM&Aを10倍にしたい」

拡大
縮小

ーーそれ以外にもアピールポイントがありそうですね。

私たちは買収もします。マイノリティ投資にとどまらない。投資のサイズは3億円って言いましたけど、投資のパーセンテージは1%から100%までやります。これも珍しいと思いますね。なぜ100%をやれるかというと、自分たちが経営できると思ってるからです。なかなか100%買ってくださいというのは来ませんけど。

ーー魅力的な会社であれば、100%買収を提案することもありえますか。

僕はやります。これまでの面談の中では2回ぐらい言いましたね、「買わせてくれない?」って。

間違いなくうまくいくだろうなと思えば、100%ですよね。ヤフーのときはそれをやっていたので。要するに、提携じゃなく100%買わせていただけないですか、と。

経営者がベンチャーキャピタルをやる私のようなケースは、これからは結構出てくると思います。お金を集めやすいぞ、起業家から指名されやすいぞ、ということがわかってくるので。アメリカでは「アンドリーセン・ホロウィッツ」なんてまさに起業家たちが作っている。ピーター・ティールも投資をやっているわけですよね。

私はアンドリーセンやピーター・ティールほどメジャーじゃないですが、アメリカの流れが日本にも来るわけです。これからはプライベートエクイティとベンチャーキャピタルが融合していくのも自然な流れなんじゃないですか。日本でその一番先頭を走ろうとしているのがわれわれなんですよ。

集めるお金は多ければ多いほどいい

ーー小澤さんはヤフー時代にはアリババのような何兆円単位の巨大企業も見てきた。第1弾では150億円の規模だけれども、第2弾、第3弾のファンドではどのくらいの規模をやりたいですか。

お金は多ければ多いほどいい。ちょっと前まで兆の単位でやってたので、やれますか、やれませんかと聞かれたら、やれると答えます。やりたいですか、やりたくないですかと聞かれたら、超やりたいと答えます。

お金を出す側からすると、パフォーマンスがどれぐらい出るかですよね。投資を受ける側からすると、自分の会社の価値がどれぐらい上がったかが重要で、そこは完全にリンクしている。私としてはこの2年が勝負だと思っています。今年来年で1回勝負はつくんじゃないですかね。

ーーファンドに出資したLINEヤフー、ビジョナル、マネーフォワード、PKSHA Technologyなどは、M&Aのチャンスも狙っているわけですよね。

そうです。M&Aの橋渡しをする機会は増えると思います。M&Aだけでなく事業面でつながるようなことも出てきます。

ーーシード段階から上場直前のレイターステージまでこだわらずに出していくと説明しています。

今回は1号なので、お金を出してくれる人たちにVCとPEを融合させた新しい挑戦だと説明しています。アーリー、ミドル、レイター、買収で、4分の1ずつぐらいお金を使いますと説明をしているんですよ。その結果、一番フィットしそうなところを見つけていきたい。ひょっとしたら2号ファンドでは8〜10割を買収案件だけでやっていくプライベートエクイティファンドを1000億円組成するかもしれない。

次ページ「これはやらないぞ」と決めていること
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT