ヤフー小澤元社長がVCで挑む「爆発的成長」の全貌 ファンドを通じて「日本のM&Aを10倍にしたい」

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ーー世の中にベンチャーキャピタルがたくさんある中で、どういった点が独自のアピールポイントですか。M&Aをやる、と言っているところはそれなりにあると思うので。

いくつかあります。1つは、私は昨年9月まで日本で一番でっかいインターネット会社の社長だった。そういう経営者がVCをやるというのはこれまでないと思うんですよね。あくまで経営者個人の話ですが、これはとても重要です。こういう人がもっと増えるべきだと思っているんです。

ーーヤフーからは、宮坂学さんのように東京都副知事になった方もいますね。

そう、行政に回ってもいいですよね。経営者がもう1回経営をやるというのはごくごく当たり前のことですが、経営者が行政の仕事をする、投資を事業として行うというようなことが当たり前になってほしい。

経営者がエンジェルをやるというのは多いけれども、私のようにファンドを経営するのは珍しいケースです。なかでもヤフー、楽天のような規模的に大きな会社の経営層がやるのは非常に珍しい。

でっかい会社の「経営経験」は武器

でっかくなりたいわけじゃないですか、起業家は。そうすると、でっかい会社の経営をしたことがある人の経験はものすごく重要になりますよ。

私の場合だと、PayPayの立ち上げから急成長までのところもやっているので、でっかくした経験も持っている。スタートアップの経営者として買収される側になった経験もあるし、ZOZOや一休のように1000億円単位の買収をした経験もある。ここまでの経験を積んでいるベンチャーキャピタル経営者は、他にはいないですよね。

髙橋健太(たかはし・けんた)/1987年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経てMBKパートナーズでコメダ珈琲、TASAKI、USJ、ゴディバなど主にコンシューマーセクターの投資およびバリューアップに従事。2022年5月、MBKパートナーズを退職後はOMAKASEをはじめとするいくつかの企業の創業株主に(撮影:今井康一)

髙橋も自分でOMAKASEというサービスをつくって、それをGMOインターネットグループに売却した経験を持っている。プライベートエクイティの業界が長いので、買収をしてその後しっかり成長させて会社の価値を大きくするということをやっているわけです。

堀はベンチャーキャピタルのスペシャリストですけど、直前までは事業会社にいたわけですし、ベトナムでプライベートエクイティもやっている。3人とも経営者として社長経験があるということは、やっぱり起業家サイドから指名されますよね。これがリアリティとしては一番大きいです。

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