40代以降に「食べなくても太る」これだけの理由 非アルコール性「脂肪性肝疾患」が増加
「由美さんの血液検査の結果はAST58、ALT121、γ-GTP48なので脂肪肝炎が起きている状態ですね。脂肪肝で肥満がある方の場合、体重の7%減量すれば肝臓の炎症がなくなります。由美さんは現在66kgなので、マイナス4.62kg……つまり5kg減量がベスト。
ただし急激な減量はリバウンドの原因にもなるので、1カ月の減量は体重の3%以内にとどめて。最初の1カ月で2kg減量できた患者さんは、ほぼ全員がその後3カ月で5kg減量を達成しているので、まず2kg減を目標にしてみませんか」
と、尾形先生はアドバイスした。
「食べる量を減らせばよいのでしょうか?」という由美さんの質問に尾形先生は、
「減らすのは主食の量だけで。おかずや野菜はたっぷりとってください。お米やパン、麺などはすべて脂肪になりやすい精製糖質なので、それを減らすことが最優先。そして無理のない方法で、肝臓をいたわる食事法にかえることが大切なんです」
と説明。由美さんの食生活は、ダイエットのために飲んでいた野菜ジュースに糖質がたくさん含まれていたり、添加物を含むサプリメントも肝臓への負担になっていた。よかれと思って続けていた食生活をまずは見直すことが重要だったのだ。
1カ月後:無理なく2kg減に成功
尾形先生が患者さんに指導する基本の5か条をもとに毎日、体重や食べたものを記録し、もしもお菓子を食べてしまったら娘に申告すると決め、自らを律した由美さん。夕食を作るついでに野菜を洗ってカットし、朝食用のスープの下ごしらえもすませた。
ランチは勤務先のスーパーのお弁当をもらうことが多いが、ご飯は先に食べていい量をお箸で分け、食べすぎを防止。さらに自宅からミニトマトやブロッコリーを持参して、野菜不足を補い、ベジファーストも実践した。
体重は約1カ月で2kg減量、血液検査の結果もAST54、ALT104、γ-GTP29に数値が改善した。