納得の「サプライズ社長人事」映すドコモの現在地 新体制下で「iモード時代の復活」期待する声も

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今後、前田氏にとくに期待される役割が成長領域の拡大だ。「スマートライフ、グローバルと、新たな事業分野でのドコモの挑戦は続く。新たな事業を牽引してきた前田さんが、それをさらに飛躍していくことが非常に重要だ」(持ち株の島田社長)。

ドコモは2021年秋に発表した「新ドコモグループ中期戦略」で、金融や法人などの事業を成長領域に位置づけ、2025年度に営業収益全体に占めるスマートライフ、法人事業の比率を50%以上、法人事業単体の営業収益を2兆円以上とする目標を掲げた。

NTTドコモの事業別営業収益の推移

前2024年3月期決算では、柱の個人向け通信が減収減益となる一方、全体の営業収益は6兆1400億円(前期比1.3%増)、営業利益は1兆1444億円(同4.6%)と、2期連続で増収増益だった。

うち、法人の営業収益は1兆8817億円(中期戦略を発表した2022年3月期実績は1兆7195億円)となり、2年後の「2兆円」は射程圏内だ。スマートライフの営業収益は1兆0908億円(同9604億円)、全体に占める法人とスマートライフの割合も48.4%(同45.7%)に高まり、堅調に目標水準へと近づいている。

立て続けの他社提携に銀行参入説も

法人事業については、組織再編でコムにその機能を集約したことが奏功している。一方、前田氏が主導してきたスマートライフは積極的なM&Aを進めながら、規模の拡大を図る戦略だ。

昨秋以降、マネックス証券やオリックス・クレジットといった金融事業者を連結子会社化する巨額投資を行ったほか、4月にはアマゾンとのdポイント連携も発表。業界では、銀行事業に参入するのではないかとの見方も多い。

7月からは、個人向け通信とスマートライフを一体運営する組織改編も実施し、前田氏は今後、こうした施策を着実に業績へと結びつけられるかが問われそうだ。

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