プロ野球「観客動員」過去最高になるかもしれない コロナから回復、動員率が9割を超える球団も

✎ 1〜 ✎ 175 ✎ 176 ✎ 177 ✎ 178
拡大
縮小
甲子園球場(写真:筆者撮影)

プロ野球の観客動員が好調である。コロナ禍の3年もの間、観客動員は制限され応援も禁止されて、不自由な思いをしてきたファンの反動という部分があったと思われる。またコロナ禍の間にネットなどでプロ野球を知った新たなファンの動員もあったようだ。

ゴールデンウィーク明けの5月7日の時点で、プロ野球全体の1試合当たりの平均観客動員数は3万610人。昨年が2万9219人だから4.8%の増加。セ・リーグは3万3954人、昨年が3万2913人だから3.2%増、パ・リーグは2万7266人、昨年2万5525人だから6.8%増。特にパ・リーグの増加が著しい。

過去最多はコロナ直前の2019年で、プロ野球全体で3万928人、セは3万4655人、パは2万7202人だった。パはすでに2019年を上回っているが、プロ野球は梅雨の時期を過ぎて夏休みに入ると例年増加するから、このままいけばNPB全体でも過去最多の動員になる可能性もある。

「観客動員」のビジネス的な意味

プロ野球の「観客動員」とは、ビジネス的に見てどういう意味があるのだろうか?

1つは当然ながら「入場料収入」だ。プロ野球興行の基本であり、観客がたくさん入ってこそ興行は成り立つ。

京セラドーム大阪(写真:筆者撮影)

近年目立つのは入場料金の「ダイナミックプライシング」の動きだ。これまでは、公式戦の料金は席種ごとに一律だった。

しかし最近は、人気カードや土日祝日などは価格を高く設定するなど、入場料金を柔軟に設定するのが一般的になっている。コロナ禍以降、特に顕著なので、観客動員増も相まって入場料収入は増加しているだろう。

もう1つ、観客動員が増加すると、場内の物販や飲食などの売り上げもアップする。今や多くの球場で場内の物販、飲食ビジネスも球団が仕切っているから、これによる売り上げ増も非常に大きい。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT