さらに見逃せないのが「スポンサー」だ。今の球場にはさまざまな企業が看板を掲示している。また試合中にも多くのスポットCMが流れるが、これらもほとんどの球場で「球団仕切り」になっている。スポンサーは年間契約だが、これに加え試合ごとに「冠スポンサー」がつくことも多い。
スポンサーにとって、重要なのは「球場にたくさん観客が来るか」だ。多くの観客が来て、スポンサー企業の看板を目にしてくれれば、スポンサードした意味があるわけだ。
スポンサー収入が大きな収益の柱に
かつて、プロ野球の最大の収入源は「テレビの放映権」だった。高い視聴率を稼いだ巨人戦の放映権で、プロ野球は回っていた。しかし今や、プロ野球にとってスポンサー収入は入場料収入と並ぶ収益の柱になっている。
野球場での広告掲示は、スポンサードする企業にとっては「ターゲット層が絞り込みやすい」というメリットがある。球場に来るのは「スポーツ好き」な「若年から壮年層」が中心で、居住エリアは「球場近隣の地域」が多いからだ。だから球場広告にはナショナルスポンサーに加えて、地域企業の名前も多い。
観客動員が増えれば、スポンサーの広告の露出も増える。だから球団の担当者も強気の営業ができるのだ。「うちのスポンサーの多くは、コロナ禍で観客が入らないときもついてくれたから、観客が入ったからといって急に強気にはなれないけど、そろそろ新しいお客も見つけていかないと」と球団営業担当者は言う。
このようにプロ野球の観客動員は「球団の営業状態」をダイレクトに示す非常に重要な指標になっているのだ。
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