「非大卒家庭から東大総長賞」1浪した彼女の奮闘 設立団体が受賞、地方女子の進学を支援する

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しかし、現役のときのこの悔しい経験で、「生半可な努力じゃ受かるところじゃないんだと実感した」と語る彼女は、妥協したくなかったために浪人を決意します。1浪で東大の合格を掴むにあたって、彼女は大きな決断をしました。東大の理系から、文系に志望校を変更する「文転」をしたのです。

「自分の適性を考えたときに、苦手だった数Ⅲを諦めて、社会科目と理科基礎で受けるほうが、東大合格の可能性が上がると思いました。文科Ⅱ類に受かれば、経済学部にも入りやすくなりますし。また、新しいことを学ぶほうが、1年間飽きずに学べると思ったのもありますね」

予備校で入ったクラスは女子1人

こうして彼女は駿台浜松校の東大文系クラスに入りますが、そこで驚いたことがあったようです。

「東大の文系クラスは5人しかいなかったのですが、女子は私だけでした。地方だと、浪人してまで大学を目指さない、というのはあるのだろうなと感じました」

こうした環境の中で気を引き締めた彼女は、現役のときよりも勉強時間を増やす工夫をします。

「現役のときの勉強時間は毎日10時間を目指しながらも、9時間で終わってしまっていたので、浪人のときは11時間を目指して、10時間勉強していた」と毎日コンスタントに勉強時間を確保していました。

しかし、去年まで勉強していた地理に加えて、2科目に選んだ世界史を伸ばすのには、なかなか苦労したそうです。

「化学・物理の感覚で理解さえすれば、世界史も解けるようになると思い込んで、時間を割いていませんでした。そのため夏になってもマーク模試で40点くらいでしたし、東大の冠模試ではずっと0点しか取れなくて焦りましたね。それまでは数学などの得意教科に時間を割いていたんですが、世界史に多くの時間を割くようにしました」

「数学や英語といった得意な勉強は、遊びの感覚でしたが、世界史では、ちゃんと勉強している実感が湧きました」と語った彼女。その結果、4割だったマーク模試の点数も、高い点数で安定していったようです。

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