「飲みニケーション」が若者に嫌われる3つの理由 お酒を楽しむか、親交を深めるかの使い分け

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まず「(1)コスパ/タイパが悪い」について解説する。

楽しむためならともかく、一緒に働いている人と「親交を深める/関係を築く」のに「飲みニケーション」はコスパ/タイパが悪すぎるという意見だ。より具体的な意見として、次のようなものがあった。

「2時間の飲み会よりも、15分の打ち合わせとか、対話を8回やったほうが圧倒的に効果が高い」

「単純接触効果って言うじゃないですか。心理学の本に書いてあります」

つまり、飲み会の目的が関係構築だったり、職場の雰囲気をよくすることであれば、数千円・数時間を使って飲み会をするよりも「他にもっと効果的な方法がある」と考えているのである。

お酒で認知能力、状況判断力が落ちたらどうなるか?

次に「(2)エンゲージメントが落ちる」についてだ。個人的な意見だが、とても気持ちがわかる。

エンゲージメントとは、組織に対する愛着心のことを意味する。昭和の時代であれば、重視されていたのは忠誠心(ロイヤルティー)であった。だから上司から「飲みに行くぞ」と言われたら、「わかりました」「ありがとうございます」と二つ返事で応じるのが、忠誠心の高さを示す証しだった。

しかし、今は時代が異なる。近年、着実に飲めない若者は増えているし、健康意識の高まりから、飲めるがあえて飲まない・少量しか飲まない「ソバーキュリアス」を好む人も増えている。何を隠そう、私もその1人だ。

酔いたくないというだけでなく、酔っ払っている人を見るのも好きではないという人も多い。シラフとのギャップに嫌悪感を覚えるからだ。お酒を飲むことで、認知能力、状況判断力などは確実に落ちる。お酒に強く、ふだんと変わらない人ならともかく、バリバリ仕事をする先輩、頼りになる上司がお酒の席で見せる別の顔に「冷める」という若者も多い。なぜなら、お酒を飲まない(飲めるが飲みたくない)という若者は、お酒によって認知能力、状況判断力が落ちてないゆえに、冷静に先輩や上司の言動を観察できてしまうからだ。

だから「飲み会」に参加すればするほど、職場に対するエンゲージメントが落ちてしまうのである。

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