新NISA「二刀流」戦略で狙う"10年後"の資産形成 「1800万円の投資枠」をフルに活用しつづける

拡大
縮小

枠が余った場合は、少額で買える優良株で埋めるのも1つの方法です。たとえば、NTT(9432)は、2023年に1株を25分割する大々的な株式分割を行ったため、100株を2万円弱で買うことができます。

成長投資枠の年間上限額240万円を使い切り、なおかつ売却を一度もしていない場合、5年で枠がいっぱいになります。投資元本は1200万円で、ここに運用益が加わります。

私の場合、個別株投資の運用利回りは、インカムゲイン(配当金)とキャピタルゲイン(含み益と売却益)合わせて20%を目安にしています。もちろん、利回りはそのときの相場状況によって異なります。私はアベノミクス全盛だった2013年の1年間で、当時4500万円ほどだった資産を、6900万円まで増やしました。利回り53%ということになります。

ただし、こんなパフォーマンスが毎年続くわけではありません。そこで、平均にならして20%としています。仮に、毎年20%で運用することができたなら、ざっくりした計算ですが、投資元本の1200万円は5年後、2035万円に増えていることになります。かなりインパクトのある数字ですね。

このとき、つみたて投資枠は、先ほどの計算にもとづくと投資元本300万円に運用益が加わり、348万円になっている見込みです。つまり、5年後の総資産は、2384万円ということになります。

資産形成のスピードはここまで速まる

目標株価に達した保有銘柄があったら、随時、売却をしていきます。

このとき、「もっと上がるかも」と欲を出してはいけません。「ここまで上がったら売る」と最初に決めたところで、必ず売却するようにしてください。新NISAの目玉といえるのが、売却したら翌年に投資枠が復活する、というところです。

次ページ1800万円の投資枠を常に意識して
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT