「仕事がつらい」モードを切り替える正しい休み方 「闘う」でも「逃げる」でもない第3の選択肢

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この「背側系の反応を無視せずに、積極的に受け容れていく」という方針は、「休む」という技術の習得において核心的といってもいいほど重要な態度だと思っています。

私がいま習得している心理療法においては、「戦士の休息(ウォーリアーズ・レスト)」という名前で知られ、その重要性が強調されています。

"シャットダウン"は身体が求めているもの

いろいろなことを抱えていつも何かと闘っている、責任のある役割から降りることができない責任感の強い人ほど、「力が入らない」「思考が回らない」「動けない」という状態をネガティブにとらえてしまう傾向にあると思います。

普段どれほど活発で社交的な人であっても、いろいろなことを気にしながら他者と交流することをやりすぎて、社交力を使い果たしてしまうことが、ときにはあるでしょう。

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そうしたときに「もう人と話したくない」「引きこもりたい」というモードになるのは、自然なことです。

このような状態のことを、「コミュニケーション・オーバー」と呼んでいます。そんなときは、無理して動き続けようとせず、部屋に引きこもり、頭をふさぎ、貝のように丸まってシャットダウンをすることが最適解なのです。

たとえ1日単位の休みがとれなくても、たった5分でも10分でもいいので、なるべく人が来ないところで横たわって亀のように丸くなる、体育座りをしてふさぎ込む、ということをあえて積極的にやるのです。

氷のモードに入りかけているときには、身体が求めていることに、身を委ねてあげてみてください。きっと、身体の中で何か変化を感じることができるのではないかと思います。

鈴木 裕介 内科医・心療内科医

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すずき ゆうすけ / Yusuke Suzuki

2008年高知大学卒。内科医として高知県内の病院に勤務後、一般社団法人高知医療再生機構にて医療広報や若手医療職のメンタルヘルス支援などに従事。2015年よりハイズに参画、コンサルタントとして経営視点から医療現場の環境改善に従事。2018年「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとした秋葉原saveクリニックを高知時代の仲間と共に開業、院長に就任。また、研修医時代の近親者の自死をきっかけとし、ライフワークとしてメンタルヘルスに取り組み、産業医活動や講演、SNSでの情報発信を積極的に行っている。

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