個別指導塾でブラックバイトが横行するワケ

苛烈な勤務体系に学生講師が悲鳴を上げる

日本教育協会がバイト講師と交わしていた雇用契約書。損害賠償に関する記載がある(撮影:尾形文繁)

都内の大学に通うAさんは、疲れた表情で話し始めた。「バイト中心の大学生活になっていてつらい。ただ、担当している生徒に思い入れもあるので、辞めたくても辞められない」。

この春大学生になったAさんが、現在勤めている個別指導塾でアルバイト講師として働き始めたのは、3カ月前。教員になる夢があり、就職活動にも有利と聞いたからだ。

授業前後も含めると最低賃金を割り込む

ところが、職場の現実は、Aさんの想像とは懸け離れていた。週3日、計9コマの授業を受け持っているが、給与が支払われるのは授業時間分だけ。授業前の予習や授業後の質問対応、報告書記入は給与支払いの対象外だった。授業前後の拘束時間も含めた勤務時間で、給与を割ると、最低賃金を下回ってしまう。

大学の時間割を職場の上司と一緒に決めたところ、バイトのシフトが優先され、教員免許の取得に必要な授業を取ることができなかった。自宅周辺のコンビニに張られたバイト募集の案内をうらめしく眺める毎日だという。

こうした悩みを抱える学生はほかにもいる。NPO法人POSSEが立ち上げた「ブラックバイトユニオン」に2014年以降、寄せられた相談のうち3割超が教育業界からのもの。中には、Aさん以上にひどい例も散見される。

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