テレビの原稿は、上は絵コンテのスペース、下がナレーションやセリフの台本です。よほど重厚なドキュメンタリー番組のナレーションでもない限り、人が会話するセリフは「2行が限界」というのが業界の常識です。
テレビの原稿の1行は15文字なので、2行なら30文字です。
広告や雑誌などのキャッチコピーも、30字前後が適量とされています。
短歌も5・7・5・7・7で合計31文字です。
テレビでは、30字のセリフを、3~5秒ほどでしゃべります。そのボリューム感とスピード感が、ワンフレーズとして収まりがいいからです。
話が短く簡潔になるほど、スッと伝わりやすくなるので、僕が若い頃は「1行でも1秒でも短く書け」とよく言われました。
「5秒で話すクセ」をつけよう!
テレビのように、「5秒ワンフレーズ」でできるだけ短く簡潔に話すことは、会議で発言したり、プレゼンで話したりするときにも役に立ちます。
もちろん、早口で話せということではありませんが、「何が・どうした」という骨子となる主語と述語をベースに話を肉付けすると、話が簡潔にまとまりやすくなります。
そうすると、「この人の話はスッと耳に入ってきて、わかりやすい。安心して聞けるな」という印象になります。
相手にウケる話をするためには、このわかりやすさが欠かせないのです。
ちなみに、お笑い芸人さんたちは台本通りに話さず、独自のアレンジを加えてきます。
たとえば動物についてトークする番組で、台本に「この前、猫がいるカフェに行ったらね」と書いてあったとすると、「オレの行きつけの店なんて、いつも香ばしい鳥がいっぱいいてさ」「それただの焼き鳥屋じゃん!」などといじるわけです。
話しているテーマの範囲内で、時々そうした独自のアレンジが入れられるようになると、話が盛り上がりやすくなります。
話を短く簡潔にまとめるなかで、臨機応変にアレンジを加えることで、わかりやすいなかにもスパイスの効いた、相手を飽きさせないトークを展開できます。
ぜひ普段から、5秒で話せる話題は何か、探して実践しましょう。
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