就職氷河期の閉塞感は、市場競争に対する支持を失うという意味で非常に大きな問題点をはらんでいる--大竹文雄・大阪大学教授

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実際に見てみると、個人主義の程度がアメリカに近いほど、血液型分布も近くなるというきれいな関係が見られました。ほかの指標もありますが、ある程度生物学的なことで人々の文化が決まっていて、たまたま今の時代には個人主義の国が有利なのではないかと議論をしているのです。

私は、それで全部決まるとは思っていませんが、彼らによれば、生物学的に文化が決まっていたとしたら、その文化を変えるのは難しい。よって文化に合った経済政策をしようということです。

この議論が正しいとすれば、日本はまだ希望が持てます。国際比較のデータで見ると、日本は前述したように集団主義の国ではなく個人主義との中間です。そうすると、どちらが有利になっても生き残っていけるでしょう。

個人主義、集団主義、両方のタイプをうまく使ってそれぞれに見合った働かせ方ができるのだと、彼らの結論を解釈することもできるのではないかと思っています。

おおたけ・ふみお
大阪大学社会経済研究所教授。1961年生まれ、1983年京都大学卒、1985年大阪大学大学院博士前期課程修了。経済学博士。大阪府立大講師、大阪大学社会経済研究所助教授などを経て現職。著書に『日本の不平等−格差社会の幻想と未来』『経済学的思考のセンス』ほか、雑誌や新聞への寄稿も多数。

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