「パフェには季節のフルーツを使用しているんです。旬のものを味わってもらいたいので、2週間に一度メニューを変更していますね」
和志さんはパフェへのこだわりをそう話す。
幼少期からスイーツが好きで、2010年から2019年までパティシエとして勤務。パリにも1年間修行に行ったほどの本格派だ。歌舞伎町には少ない、夜中にスイーツが食べられるお店というだけで需要はあるが、あくまで「美味いお店」として選んでほしいんです、とプライドを覗かせる。そのために、技術や知識を駆使するのはもちろん、夜間ならではの客のニーズをパフェに反映させているという。
「ほかの店のパフェに比べて、ボリュームは小さめにしています。食事やお酒の後に来る方が多いので、美味しく食べきれるサイズにしているんです。重すぎず、甘すぎないように、さっぱりした材料を入れるようにもしています」
ご想像以上に美味しいですよ、と玄太さんも笑顔で言う。多いと週5回も通うほど、ロイトシロのパフェにほれ込んでいる人もいるという。店での過ごし方も、パフェをさくっと食べて帰る人や、お酒を飲みながらまったり過ごす人などさまざまだ。
和志さんと玄太さんは2016年にイベントで出会い、すぐに恋人同士になり、同棲を始めた。カップルダンサーとして歌舞伎町を中心に活動しつつ、将来を見据えたときに、「終電を逃した後でも、みんなが集まって笑顔になれる場所をこの街につくりたい」と考えるように。パティシエという和志さんのキャリアを活かせて、当時の歌舞伎町にまだない、けれど流行しつつあった夜パフェ専門店を開くことを決めた。
2019年4月にクラウドファンディングを実施すると、目標の200万円を上回る237万円超が集まった。資金調達だけでなく宣伝効果にもなったそうで、2019年6月のオープン後は予想以上に人が訪れ、多忙のあまりうれしい悲鳴を上げる日々だったという。
飲食店は一般的に、1階の路面店のほうが集客面で有利とされる。ロイトシロがあるのはビルの3階で、かつ、立地は歌舞伎町のなかでもかなりディープなエリアに位置している。だがその場所にしたのは、「酔っ払いがふらっと入ってきても困るし、行きづらいくらいの場所がよかった」と、あえての選択だったことを二人は明かす。
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