双子誕生!「怒涛の1年」をどう乗り越えるか 共倒れを防ぐための「システム」とは?

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4月から保育園も始まり、翻訳会社勤務の妻は一足先に仕事に復帰した。坂本さんの育休終了まではあと1カ月。もともとはこの1カ月で仕事上の勉強など、復帰に向けた準備をするつもりだった。しかし、入園したばかりの子どもたちは次々に病気をもらってきた。ひとりが治ったと思うと、今度はもうひとりにうつってしまう、その繰り返し。結果的に仕事の準備どころか、復帰前の上司との面談にすら行くことができなかった。

復帰後に導入した新たなシステム

双子が保育園に入園し、坂本さんも仕事に復帰すると、朝の送りは夫が、夕方の迎えから寝かしつけは時短勤務の妻が担当した。それと同時に、妻に負担がかからないための工夫などを盛り込んだ、新たな生活システムを導入した。

「実は育休中に妻がインフルエンザにかかって、1週間、ひとりで家事・育児をしたことがありました。このときの経験で、ひとりですべてをすることがどれだけ大変なことか、身に染みて理解できていたので、できるだけ協力しようと思っていました」

①家事負担軽減のための工夫あれこれ
・1週間分の離乳食を土日のうちに夫が用意。
・ルンバ、食洗器、乾燥機能付き洗濯機を購入。
②週末は交替で自由時間を確保
子どもが昼寝をする13:00~17:00に自由時間を設定。妻は土曜日、夫は日曜日のように交替で自由時間をとる。歯医者や美容院に通ったり、買い物や離乳食の作り置きもこの時間に行う。
③毎月お互いに「今月の目標」を話し合う
学資保険、夏休みの旅行、炊飯器の買い替えなど、「やらなくては」と思っていても何となくできないままの家事が多いことに気づき始めた。毎月、お互いに検討すべきことを提案し合い、優先順位の高いものを毎月ひとつずつこなしていくようにした。
④買い物などは情報共有し、できるほうがする
平日夜に帰宅するとすでに妻は寝ている。週末は子どもがいて落ち着いて会話ができないという状況で、情報共有をするための工夫が欠かせなかった。最初はホワイトボードを使ったが、子どもたちに消されてしまう結果に。試行錯誤の末、夫が自らシンプルな情報共有アプリを作成した。

 

今では、当たり前のように家事を負担する坂本さん。「夜のうちに洗濯しておくと、朝には主人が取り出してたたみ、それぞれの場所に置き、さらに保育園セットも作って持って行ってくれるんです」と妻からの信頼も厚い。

次ページ頭の中は先々の対策でいっぱい
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