仕事を思い通りに進める人が意識している思考法 他者について考え抜くことが成果につながる

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最初の提案の際、私はとにかく、「被災地の子どもたちに、長期・継続的に支援する」ということだけを考え、それができそうな団体をいくつかピックアップしていました。中には、発足して間もないところもありました。

しかし、経営陣が重視していた点は、それだけではありませんでした。長期的・継続的な支援はもちろんの前提として、さらに「できるだけ迅速に」「より多くの成果を上げる」ことも重視していたのです。

相手が大事にしていることを見極める

私が提案した「発足して間もない」団体は、知名度や実績という点で、不十分でした。寄付を呼びかける際に、まず「どんな団体なのか」から説明しなければならず、また「なぜその団体に寄付をするのか」についても説明を求められる可能性もありました。

『仕事は1枚の表にまとめなさい。』(日経BP)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

1回1回の説明はちょっとしたことかもしれませんが、それが全国で行われたら……。寄付のスピード、そして金額に影響を及ぼすことになるのは間違いないでしょう。

「被災地を支援したい」「会社としてできることをしたい」という想いに駆られて、孫さん、そして経営陣が何を大事にしているのかを、見失っていた結果でした。

そもそも相手はどんな人間なのか。何を大事にして、何を気にするのか。どんな提案に喜び、どんなことに怒るのか。

こうしたことは、100%理解できることがなくとも、少なくともそれを日々考えて、行動することが重要です。それが、仕事を進めていく上では不可欠なのです。

池田 昌人 ソフトバンクCSR本部長兼ESG推進室長、子ども未来支援財団専務理事

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いけだ まさと

1974年7月12日神奈川県生まれ。法政大学経営学部卒。東日本大震災発災時に社内有志で立ち上げた震災支援プロジェクトを経て、東日本大震災復興支援財団(現:子ども未来支援財団)の企画・運営に携わる。企業の社会貢献活動を推進するため、CSR部門の責任者に就任し、東北復興を精力的に支援。ICTを活用した社会課題の解決も推進し、「つながる募金」や、人型ロボット「Pepper」を使ったプログラミング教育「Pepper 社会貢献プログラム」を全国的に展開。昨今は、地方創生・地域課題の解決に取り組む「地域CSR部門」を立ち上げ、日本最大級のCSR組織体制を構築。またSB新型コロナウイルス検査センターの代表取締役社長も務める。

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