もし、信定さんの部屋がゴミ屋敷になっていることを知っていたら、文直氏はどんな行動を取っただろうか。
「昔の尖っていた私だったら自分で片付けさせたと思います。“これも経験や”と言って、また同じことになったときのためにも、自分で片付けさせるなり自分で業者を呼んでもらうなりさせる。ただ、こうして年齢も重ねて、日々YouTubeを配信する中で、考えが変わってきました。今なら何も言わず、とりあえず片付けてあげる。理由を聞くのはそれからでいいと思うんです。最初からああだこうだ言っても話してくれないと思うので、いったん抱えている後ろめたい重荷の部分を取ってあげてから、話を聞くと思います」
姉弟間のコミュニケーションがあったからこそ
警察に捜索願を出した後、弟は無事に発見され、今は実家でゆっくり過ごしているという。
「いろんな返済とかも何もされてなかったので、落ち着いて働けるようになったらちょっとずつでも返せるところは返してもらって、返しきれない部分は家族で負担しながらやっていこうかと。弟の“大丈夫”という言葉を鵜呑みにしてしまったところは良くなかったと後になって思います。“ご飯とか持っていくよ”と伝えてはいたんですけど、弟は“大丈夫”って。“部屋に入れたくないんだな”ってなんとなく思うだけでした」(姉)
だが、このような姉弟間のコミュニケーションがあったからこそ、ゴミ屋敷になっていることが発覚し、最終的に解決に至ったのだ。この事例は失敗例ではなく、成功例として捉えてほしいと思う。
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