後から知ったところによると、部屋にゴミが溜まり出したのは行方不明になる4年前から。それは、ちょうど母が亡くなったタイミングだった。姉はそれがきっかけになったのではないかと思っている。
「片付けがちょっと苦手な子ではあったんですけど、ここまでではなかったはずです。2カ月ぐらい前ですかね、一度まったく連絡が取れなくなって。仕事もうつで休職の後に退職になっていたので、お金も貸したりしていて。定期的に連絡を取っていたんですけど、急に連絡が取れなくなったので、ちょっと心配になって家に行ってみたらこういう現状だったっていうのを初めて知りまして」
現在、この部屋には誰も住んでいない。このまま放っておくわけにもいかず、かといってもう一人いる姉妹と力を合わせてもどうすることもできず、イーブイに片付けの見積もりを依頼した。
水回りは映せないほどに汚れていた
文直氏の弟・信定さんが通路のゴミを掻き分けて部屋に入ると、頭が天井についてしまった。背が高いとはいえ、部屋全体にゴミが積み上がっていることがわかる。扉を閉めようとすると、ドアノブの高さまでゴミの山が迫っていた。壁際になるとゴミの山はもっと高くまで積み上がっている。窓際に布団が敷いてあるが、その様子を見る限りはゴミに埋もれながら日々眠っていたようだ。
とくに多いのは生活ゴミだ。ペットボトル、弁当やカップ麺の空容器、お菓子の袋などが無数に散乱している。壁際に投げられた小さいゴミ袋の中もやはり生活ゴミ。初めのうちはなんとか袋にまとめていたがゴミ出しまでには至らず、次第にまとめることもやめてしまった様子が見て取れる。ベランダもゴミだらけだ。4年間、あまざらしになったゴミは水で分解され、すでに粉状になっている。
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