「ゴミ屋敷に住む20代弟」を救い出した姉の述懐 もしも家族の部屋がゴミ屋敷になってしまったら

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キッチンはかろうじて使える状態だったが、インスタントラーメンに入れていた卵の殻が何個もそのままで放置されている。トイレや浴室など水回りの状態もかなり悪い。生活ゴミがバスルームにまで侵食していたが、それよりも汚れがひどい。一度も掃除をしていないであろうバスタブには髪の毛がワサっと溜まっていて、カメラには映せないような状態だった。

「マンションの契約書、年金手帳、貴重品類以外はすべて空にしてしまって大丈夫ですか?」(信定さん)

「はい、すべて処分でお願いします」(姉)

電子機器やゲーム機なども残っているが、これらも含めていったんすべて捨てるという。作業開始から30分で玄関とキッチンの片付けが済んで動線が確保されると、部屋のゴミもみるみるうちに減っていった。

(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

理由なくしてゴミ屋敷にはならない

文直氏によれば、医師の診断の有無にかかわらず「うつが原因でゴミ屋敷になってしまった」と話す依頼者は多いという。ただ、少し意地悪な見方をすれば、「診断を受けていない場合、うつを言い訳にしている」ように捉える人もいるだろう。極論、業者にとっては依頼主の病状は関係ないとも言えるが、そこには文直氏なりの考えがある。

「医師がうつと言ったからうつ、逆に医師の診断を受けていなかったらうつではない、とは思わないです。病院に行くのも家を出るのもしんどいみたいな状態もあるわけじゃないですか。診断の有無はそこまで重要ではないというか、しんどいことには変わりはないと思うんです」

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