大河出演・矢部太郎「人生をつくるプレゼント」 乙丸役が好評、芸人・漫画家などマルチに活躍

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「本を描くなかで、今まで受け取ってきたプレゼントと向き合う過程は、自分が自分自身であることを受け入れていく過程だったと思います。

受け取ってきたモノやそれに込められた言葉や気持ちを、一つずつ見つめ直して受け入れていく過程は、誰かと比較する必要のない、自分だけの体験や価値を受け入れて『自分はこうである』と認めることでした。それが、『プレゼントでできている』というタイトルにもつながっています」

家のなかにある捨てられないプレゼントは、他人から見ると無価値でも、そこに込められている記憶や、思いが自分を形づくっている。『プレゼントでできている』を読んでいると、自分自身が受け取って来たプレゼントのことも、次々と思い浮かんでくる。

『光る君へ』演技の裏側にある漫画家の視点

本書には『進め! 電波少年』などのテレビ番組や『幕末純情伝』などの舞台に出演した当時に贈られたプレゼントに関するエピソードが多く、矢部さんの芸人や役者としての活躍を知っていると、より深く内容が迫ってくる。

現在出演中のNHKの大河ドラマ『光る君へ』では吉高由里子さん演じる、まひろ(後に『源氏物語』を書き、紫式部と呼ばれる)に使える従者、乙丸を演じる矢部さん。撮影現場で何を感じているのだろうか。

NHK大河ドラマ「光る君へ」乙丸役の矢部太郎さん
(画像:NHK公式サイトより引用)

「僕が面白いと思うのは、主人公のまひろが将来的に『源氏物語』を執筆し、1000年後の読者とも、つながる可能性があるということです。

まひろさんの中にはすでに『源氏物語』が息づいているように感じますし、『光る君へ』のドラマの世界観が、その登場人物たちも含めて、紫式部の書いた『源氏物語』に流れていく川なのだと思うと、興味深いです。

僕の演じる乙丸も、きっとまひろさんの書く物語の一部になるのだと想像し、ワクワクしながら演じています」

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