奔走する倉本昌弘PGA会長が胸の内を語った

「終わりかけのゴルフ界」を救う道とは?

――ジュニア育成は、プロゴルファーも取り組んでいます。

私も出身の広島県で、ほかのプロスポーツ選手たちと一緒にイベントを開催し、青少年育成のための基金活動を長年行っている。丸山茂樹プロもジュニアファンデーションという活動を行っている。協会もそれぞれがジュニア育成に予算をたてて活動を行っている。ただ、こうした活動が点で終わってしまう。

乱立するゴルフ関連団体

5月中旬、PGAが主催した『第83回 日本プロゴルフ選手権大会日清カップヌードル杯』では、オーストラリアのアダム・ブランドが逃げ切り優勝

――ゴルフ関連団体は17もあるそうですが、各協会がチマチマとやっていては大きな成果は見込めない。戦略的な投資を行うためにも、持ち株会社のような統括団体を作ってもいいのでは。

われわれPGAとJGA(日本ゴルフ協会、日本のアマチュアゴルフを統括)、LPGA(日本女子プロゴルフ協会)、JGTO(日本ゴルフツアー機構)の競技4団体がフェデレーション(連盟)を作ってはどうかという案はあるが、正式な場では一度も話し合われたことはない。それぞれの団体のトップは任期があるし、トップがリーダーシップを発揮すれば動く組織ばかりでもない。

ゴルフ界でやりたいこと、やらなければならないことは山積しているが、すべて時間がかかる。しかも、みなの協力がないと“絵に描いた餅”になってしまう。提言書を出して残念だったのは、無反応なことだった。そして無反応よりもっと怖いのは……、わかります? 「いいですねえ」と言ったきり、その後音さたがないことですよ。

――2014年2月、会長就任時に発表したマニフェストでは、底辺拡大事業の推進、PGAスクールの確立、組織改革、JGTOとの連携を掲げていましたが、進捗状況は。

スクール事業のPGAゴルフアカデミーは、6月1日、関東・関西で1校ずつオープンした。これはアンテナショップでもあり、ジュニアゴルファー、一般ゴルファー、PGA会員のスキルアップの3つの柱で運営していく。JGTOとの連携については、まずPGAツアーの商標をトーナメントで使ってほしいと提案したが、そのまま頓挫している。

――15年前、PGAから飛び出して生まれたのがJGTO。簡単にことは進まないということですか。

JGTOは、最初はPGAの名前を欲しかったけれど、別れた経緯があるのでそれは不可能だった。時が経って、今度はPGAがJGTOにPGAの名前を使ってほしいと言っているということだ。これは米国の話だが、全米プロゴルフ協会(PGA of America)はクラブプロ、レッスンプロなどのビジネスを統括し、PGAツアーはトーナメントに特化して棲み分けているが、当初はもめた経緯がある。それだけ根深いものをはらんだ問題だということは理解してほしい。日本でも、JGTOは試合に出るトーナメントプロを育成し、PGAはゴルフプロフェッショナルを作るという意識を、もっと持たないといけないのかもしれない。

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