ストレートネック、猫背とともに近年増え続けているものに、“巻き肩”があります。正しい姿勢を横から見ると、肩は中央よりやや後方にありますが、巻き肩とは肩の位置が前に出た状態を指します。
ここで簡単に肩の構造と働きについて説明します。
私たちの腕が大きく自由に動くのは、肩関節だけでなく肩甲骨と鎖骨(肩甲帯)が協調して動くためです。腕をうしろに引く時は、肩甲骨は内側に寄って肩が後方になり、腕を前に出す時は、肩甲骨が外側に開いて肩は前に移動します。
パソコンのモニターやキーボード、スマートフォンは体の前方に置きますから、当然操作する際は腕が前に出るため、肩甲骨が開いて肩が前側にきます。
この姿勢を長時間、長期間続けると、肩甲骨を開くために働く筋肉(小胸筋、前鋸筋)が硬くなってしまい、肩が前に出た状態が定着してしまうのが巻き肩です。
巻き肩になっていると肩甲骨を寄せるのは難しいので、まずはあとで紹介するお腹のストレッチから始めてください。
悪い姿勢を続けたら意味がない
これまで見てきたように、姿勢を修正するには体の前面の筋肉を伸ばすことが大切です。
しかし、いくらストレッチで硬くなった筋肉を伸ばしても、悪い姿勢を保つ時間、つまり筋肉を硬くする時間が長ければ、せっかくの努力も効果は半減してしまいます。
姿勢は、泳いだりボールを投げたりといった動作のように、反復するほど脳にインプットされます。よい姿勢を意識して、それを反復する(続ける)時間が長いほど、姿勢は修正されていきます。ストレッチと正しい姿勢にする意識、この両輪で姿勢をよくしていきましょう。
首の前の筋肉(胸鎖乳突筋、広頸筋など)
胸の筋肉(小胸筋、前鋸筋など)
お腹の筋肉(腹直筋、外腹斜筋など)
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