「ある起業家セミナーに参加した際に、『仕事をしながらも、家族に温かいご飯を作ってあげたいのですが、みなさんはどうされていますか?』と質問すると、『毎日温かいご飯なんて作れないよ。掃除も無理よ』と言われて、ショックを受けたんです」。見谷さんは幼少時代の経験から、家族と一緒に温かいご飯を食べることを大切にしたいと考えていた。
そんな時、チラシで見つけたのがドリマムだ。「チラシにあった『Smile For Family』って、どういうことなのかと思って、説明会に参加したんです。すると、理念のひとつに『家族のために温かい食卓を作る努力を惜しみません』とあって、ここしかないと思いました」。
オーディションから3カ月後に待ち受ける壁
新たにドリマムのメンバーに加わったクリエイターを待ち受けるのが、オーディションから3カ月後に開催される「万博春のロハスフェスタ」だ。毎回8万人が来場する関西屈指のビッグイベント。金土日の3日間、朝から晩までブースを出展する。それを乗り切れるかどうかが、今後継続的に活動できるかどうかの試金石となる。当然、家族のサポートなしには参加できない、乗り切れない。だから、「Smile For Family」なのだ。ママがやりたいことだけをやっていても理解は得られないし、応援してもらえない。家族のための日々の積み重ねがあればこそ、こういう時に「いってらっしゃい!」と笑顔で送り出してもらえるのだという。
「万博春のロハスフェスタ」で、デビュー後すぐに売り上げMVPを獲得したメンバーがいる。第3期生の消しゴムはんこ作家「ぱんだの庭。」のよしだゆかりさん、3歳と8歳の子どもを持つママだ。
個人で作家活動していた時の1カ月の売り上げの10倍以上をたった3日間で叩き出した。よしださんは第1子の出産をきっかけに離職し、2年ほど子育てに専念。仕事を辞めたことで、社会から疎外されていくように感じたという。社会と接点を作るために、消しゴムはんこ作家を志し、作家活動を始めた。
「万博春のロハスフェスタ」に参加する際、夫から「趣味なのに、そこまでしてやる必要があるの?」と問われた。「参加できたらいい、楽しければいいという生半可な気持ちでいたら、駄目だと思いましたね」とよしださん。
商品のクオリティを上げるため、アドバイザーやメンバーの意見を聞くとともに、短期間にほかのイベントにも参加するなどして経験を積み努力した。実績ができてくると、夫も少しずつではあるが、作家活動も仕事であると認めてくれるようになってきたという。
再就職してフルタイムで働きながら、作家活動もするよしださん。仕事も作家活動も、のめり込みがちになることもあるが、バランスをとれるのは仲間がいるからこそだという。「フェイスブックで、みんなの日常を知ります。頑張って制作活動しているのはもちろん、家族とお出掛けするなど家庭も大切にしている。それを見ると、自分はちゃんと家庭を大切にできているかなあと、振り返るきっかけになるんです」。
よしださんは目標をこう話す。「一時的なブームに乗って活動するのではなく、10年続けて“主婦の趣味”ではなくて、”職業”なんだって認識してもらえるようにしたいと思っています」。子どもはいずれ大きくなる。自分自身も将来「どうなりたいのか」を見据えて活動していくことが、ひとつのポイントになるのではないだろうか。
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