「高血圧」が気になる高齢者に教えたい意外な真実 若者も高齢者も「140㎜/Hg以上」基準の疑問

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私は以前の検査で血糖値が660mg/dlにまで達していました。厚生労働省による基準値は、通常の場合、空腹時で70~100mg/dlとされていますから、明らかに重症の域でした。医者からは当然のようにインスリン注射による治療を勧められましたが、私は2型だったのでこれを断りました。

その後はもっぱら、歩くことで血糖値をコントロールしています。毎日30分ほど歩くようにしたところ、それまでまったく運動をしていなかったこともあり血糖値は200~300mg/dl前後を維持しています。

数字に固執せず適度にコントロールしよう

厚労省の掲げる正常値よりはずっと高いのですが、それでもときどき喉が渇く程度で、支障を感じることはありません。

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そもそも糖尿病とは「血糖値が高すぎる病気」ではなく、「血糖値が安定しない病気」です。

血糖値は低ければいいというものではなく、50mg/dl以下になると臓器にダメージを与えるリスクが高まり、40mg/dlまで下がれば意識を失い、20〜30mg/dlになれば命が危ぶまれます。

慢性的な低血糖状態になると身体や脳の活性が落ちて終日、頭がぼうっとしたり身体がふらついたりします。

また血糖値が下がる時間帯には脳に糖分がいき届かなくなるので、低血糖によって認知症のリスクが高まることも考えられます。

こうしたことから血糖値は正常値にこだわらず、本人に不具合のない状態で適度にコントロールするのがベストだと考えます。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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