「日本の議員と深い関係?」スパイ防止法の有効性 中国非公式警察関係先を捜査した狙いとは

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議員側への捜査も同様だ。第四条第一号の検討に加え、第四条第二号の

① 国家秘密を取り扱うことを業務とし、又は業務としていた者

② その業務により知得し

③ 領有した国家秘密を外国に通報して

④ 我が国の安全を著しく害する危険を生じさせたもの

のそれぞれ②~④の捜査手法も基本的には前述の内容と大差ない。

これら私設秘書と議員側への捜査において、各構成要件の裏付けを秘匿で行い、証拠を収集したうえで、捜索差押許可状や必要に応じ逮捕状の発付を受け、一挙に強制捜査を行うのが通例だろう(任意捜査では証拠隠滅のおそれがあるため)。

捜査の手法自体はこれまで“公”になっているもののみをあげたうえで、具体的手法の言及は避けたが、それでもこれまでの捜査手法と大差ないのは認識いただけたと思う。

一方で、その最高刑が死刑または無期懲役とする同法による抑止力には一定の効果が見込める。諜報活動自体を行う工作員はいわばプロであり、同法の刑は抑止とはならないだろうが、それに加担してしまう一般人や議員側に対する抑止は見込めるだろう。

さらに、法的根拠を持った「防止」が期待できることは重要だ。例えば、「② 探知or収集」行為について、“疑い”がある段階で捜査を積み重ね、令状の発付に耐えうる「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」の要件を満たすことで、法的根拠をもって探知行為の段階での検挙が見込める。これは機密情報の漏洩がなされる前の段階での防止となり、非常に重要な点だ(逮捕の必要性も満たす必要があるのは言うまでもない)。

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